Suva Cup 2015年12月19日 ルポルタージュSTメリー  

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大河滔々
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セントメリーインターナショナルスクール・バスケ部、本当にすばらしいチームです。
SAVA CUPを観戦した春高生の保護者の皆さんが感激感動したのもむべなるかなと思います。
facebookをやられていない方にも是非知っていただきたく原文を転載しました。

出典は片岡さんのFBです。
2022年6月5日に一部付記修整したかたちで掲載しております。

【Sava Cup 事後雑感(その1)】


「最後に、あちらの椅子に集まって欲しい」

St Mary's International schoolで開催されたSava Cup。
各チームによって参加日数はマチマチであるが全2日間、合計で10試合近くが行われた。

 

その全日程が終了した後、HCであるClarkson氏が最終試合を戦った春日部高校St mary'sの選手に呼び掛けた。
日頃、どちらかというと大らかで、笑みを絶やさない人であるが、神妙な面持ちだったことを覚えている。
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SAVA CUPについて語るClarkson氏(写真左)。(2022年6月5日追補掲載)
 
右側は当時St.Marryバスケ部のシェーファーアヴィ幸樹選手、Clarkson氏の語りを通訳して春高生に伝えてくれました。
彼は現在現役Bリーガー、2020東京オリンピックバスケ日本代表としても活躍しました。写真は片岡さんのfacebookより拝借。
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Sava Cupに参加してくれてありがとう
 

後に続く言葉や彼の話しぶりを聞いて、先ほどの神妙な面持ちの理由が分かる。
「この大会は、故人であるコーチSavaを偲ぶ大会」である、という事。 
言葉にすると短いこの言葉。
その表面的な大会の由来ではなく、コーチSavaの取り組みや人生哲学を全身全霊で全員に伝えようとする姿があった。

<SAVA氏を偲ぶコーナー(写真出典:GOLDSTANDARDLABO.COM)2022年6月5日追補掲載>


かつてSt.Mary'sのコーチにSava氏がいた事。
非常に熱い気持ちを持ったコーチで、バスケットでも、勉学でも学生が手を抜く事を許さない厳格なコーチだった。
何故ならば。そのいずれかでも手を抜く事を一度でも覚えてしまう。すると、いずれ必ずその両方がいい加減になってしまう。
それが彼の哲学。

学生には人生の勝利者になって欲しい。
だから、勉学もバスケも僅かでも妥協する事を許さなかった。
 No Shortcut, 
 No Excuse, 
 No Regret. 

彼のコーチ哲学だ。

 

・何かを達成するための、近道はない
コツコツと続けることこそが王道だ。
・環境を言い訳にしてはいけない。
・言い訳は何も生み出さない。
・後悔している場合ではない。
やるべき事をコツコツ積み重ねよう

 

彼に率いられたSt Maryは、所属する関東リーグやFarEast Touramentで好成績を収め快進撃を続けていた。
だが、ある日、突然、病に侵され、病に伏す。そのまま帰らぬ人となった。
誰の身にも、明日、何が起こるかは分からない。
この大会は、Sava コーチの哲学や熱意、彼の存在を語り継ぐために続けている大会だ。

 

こうして日本の高校生とInter National schoolの選手で交流戦が出来たことも、当たり前のことではない。
サポートしてくれた父兄の方、観戦に来てくれた方、審判をしてくれた人、勿論、ここにいる選手。
皆がいるから成立している。
その事を、改めて忘れないでほしい。

 

そして、もし、
 バスケでも勉強でも、
 手を抜いている、疎かにしていると
 感じる部分があるなら、
 今すぐ決意をあらたにして、
 もう一度取り組みを見つめ直し、
 全力を尽くしてほしい

それがこの大会のコーチSavaの願いです。

おおよそ、上記のような内容だと思う。
英語でのスピーチであった為、細かな部分の解釈には自信がない。
幸い?、春日部高校は期末考査が返却された矢先の練習試合だったようで、試合の合間には観客席で課題に取り組む生徒が多くいた。
一つでもいい加減にすると、その他もいい加減になってしまう。この言葉も心に響いたはずだ。

スピーチの最後、Clarksonコーチが体育館に訪れていた子どもに語りかけた。
試合の合間、無邪気にコートでドリブルをし、シュートを打ち、一つ一つの試合を見ていた少年だ。選手の弟や親戚かもしれない。
「君たち、大きくなったらバスケットボールをやるかい?」
「...たまになら、やるかも」
子どもの返答に、笑い声が響く。最高の返答だった。
今後、バスケットボールファミリーになるかもしれない未来の選手に対する温かな呼びかけ。
映画のワンシーンのように見えた。

観客席とコートが近く、遊ぶ余白のある体育館の設計は非常に羨ましい。
ここにいる選手の多くが、このように、スポーツの競技現場に近い空間を遊び場とし、やがて、それを真剣な遊びへと昇華させたのかもしれない。
スピーチの場面、写真を撮ろうかと思ったが、コーチの言葉を聞く事に全神経を研ぎ澄ました。今でも、その選択は正解だったと思っている。
一途なまなざしを向ける日米選手の真剣な表情が忘れられない。

全ての用事を終え、すっかり寒く、暗くなった帰り道、駅へと足取りを急ぐ。
審判をしていたカナダ人のDavidがいたので声を掛け、共に帰る。
日本にいるアメリカ人の、特別養護学校?で働く教員だった。
まだまだ、知らない世界が世の中には沢山ある事を最後の最後でさらに思い知らされた。
約1年前、この学校を知り、Sava Cupについても聞いていた。
志の高い取り組みである事は話を聞いて分かった。
大勢の前で、一人の男が、別の男の魂を強い口調と熱意で訴える。これほどまでの熱量とは。想像を超えていた。
とにかく、このような素晴らしい出会いに感謝したい。
 


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