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『籠球部誕生』ページは、新しい運動部(篭球部他)が誕生した大正末期の頃の様子を80周年記念誌より転載してご紹介している「歴代写真」への起点となるぺージです。出典は創立80周年記念誌『やぎさき』です。
創立80周年記念誌
『やぎさき』
(昭和54年発行) P54〜55
以下を寄稿された方は、原田隣造先生(旧職員、粕中篭球部初代顧問)です。転載元をそのまま転記しましたが、現在ではなじみの薄い使われ方の漢字(2か所)についてカッコで赤文字ふりがなを補記しております。
私が粕壁中学校にご厄介になったのは、大正13年9月24日から昭和14年6月24日までの15年間であった。思えば50数年も昔のことだが、今でも忘れられない懐かしさでいっぱいである。今度、創立80周年を迎えるにあたり、本部から「お前がやっていた頃新しい運動部がいくつ出来たか書け」ということだったので、ここに拙い筆をとったわけであるが、25,6才の元気盛りのあの頃のことを今更昨日のことのように思い出して胸を躍らせている。
その頃粕中(春日部高校)は、生徒数750名くらいの一流校であったが、それを一手に引き受けて活躍されていたのは、飯塚吉之助先生であった。実に親切なよい先生で、いろいろ私を指導してくださった。当時既にできていた運動部は柔道部、剣道部、庭球部等で、陸上競技部は徒歩部と称して山岳旅行などと一緒のようであった。
少し理屈っぽくなるが、運動部は作るものではなく出来るもので、生徒の学校生活は教育課程で基礎教育が行われ、それを自主的に延長して、それぞれの個性に従って課外教育訓練があるわけだ。この授業時間と課外時間が一体となって、学校全体の学習価値が発展するので、その基礎は、先ず学習授業の内容に大関係があるわけである。 私は、1週3時間ある体操時間を、1時間づつ次の三原則で実施した。
▶体操: 徒手体操、鉄棒、跳び箱、これで
1時間。
▶陸上競技:準備体操、スタート練習、主運動、これで1時間。
陸上の主運動とは走、跳、投の各種目。陸上競技の時間は全員スパイクを用いる。
▶球技: 蹴球、篭球、排球、この3種目をかわるがわる1時間。
これをもう少し具体的実際案で示すと、今週の1年A組
の授業は、
月曜の体操時間は体操で、⇒徒手体操、鉄棒逆上がり、飛箱/水平跳
の学習
水曜の体操時間は陸上競技で、はじめからスパイク、パンツで集り、⇒競技の準備運動、スタートの練習、走り幅跳びの計測を行う。
金曜の体操時間は球技で、⇒準備運動、サッカードリブルの練習。4チームに分かれて仕合練習。
という流れになる。 このようにしてやっていくと面白くなって、個性に従って好きな運動が身に就き、授業時間中だけでは物足りなくなり、好き同士で団体を結んで、一層高い程度の練習を重ね、自然に運動部が結成されていくのである。 この結果、大正14年の陸上競技部の結成をはじめとして、数年のうちに器械体操部、蹴球部、篭球部、排球部が結成された。 (注1)勿論、私は、それぞれの運動部成立に力添えを致したが、これらの運動部はいずれも、作ったものではなく出来たものなのである。 始めは皆私が監督だが、その中に皆他の教科の先生が熱心に監督となられ、非常に立派な成績を挙げて下さった。
野球部は非常に早く結成されていたのであったが、問題を起こして停止され、私が行った頃はやらせられなかったのであるが、このような情勢になったので再興を許され、英語の紀先生や教練の原先生の御尽力で立派に発展した。
又、そのころ、教職員の間で卓球が非常に盛んで技術も極めて高かったので、
自ずから生徒の間にも普及し、卓球部が生まれた。
このようにして粕壁中学校は、男子の中学校として意気頗(すこぶ)るミ(たかま)り、県内は勿論、全国的にも有名になったことは、今から考えても極めて愉快なことである。
(注1)創立80周年記念誌のP35に以下の記載があります。
<大正十五年>四月二十日 篭球コート新設、篭球部活動開始す
以上が創立80周年記念誌『やぎさき』からの転載文になります。バスケットボール部の創立記念日は(大正15年)4月20日と言えます。大正時代の粕中生によって創立された春高バスケ部、それなりに歴史を刻んできている伝統ある部活だと言えるでしょう。
ちなみに大正15年は大正天皇が崩御された12月25日迄で、12月26日〜31日は昭和元年(5日間)であり、翌年は昭和2年となりました。
従って「大正15年度の卒業生」は「昭和2年卒」
ということになりますので「昭和元年卒」は存在しないということで、百年史の名簿もそうなっていました。
考えてみれば、昭和64年は昭和天皇が崩御された1月7日迄の7日間のみだから、「昭和63年度」は「平成元年卒」で「昭和64年卒」は存在しないということと同じですね。
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◆春高ヒストリア
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